大学院受験をお考えの方へ

先輩からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

 

中嶋 祥平

卒業年度
2018年度卒
現在の所属
東京大学医学部附属病院 小児科病棟(執筆時)

大学院では造血幹細胞移植を受ける患者と家族を対象とした研究を行いました。現在は移植後フォローアップ外来の研究を行いつつ、日々の業務の中で、論文などのエビデンスに基づいた看護を実践できるように心がけています。大学院で学習してからの臨床での業務は大変なことも多いですが、家族に対するケアを意識することができ、改めて進学してよかったと考えています。
当時の教室の同期は僕を含め7人で、今でもオンラインで交流しています。他愛のないことから現在の仕事や研究、今後のキャリアなどについて話し合うことができる、かけがえのない仲間を見つけることができました。
家族看護学教室では、さまざまな発達課題をもつ家族を対象とした研究について考えることができます。小児、母性、老年など多分野の研究に触れることができますし、研究の環境は非常に整っており、多様な研究方法を学ぶことができます。GNRCのセミナーなどで海外の著名な先生方の講義を聴くことができ、学会発表や論文執筆などの指導も行っていただきました。
教室の先生方はとても優しく、そして熱意ある指導を行っていただけると思います。ぜひ一度ご連絡してみてはいかがでしょうか。

鈴木 征吾

卒業年度
2018年度卒
現在の所属
東京医科大学医学部看護学科

私は小児病棟の看護師として在宅移行を支援する過程で、日常的に吸引や経管栄養などの医療を要する子ども(医療的ケア児)とその家族への看護支援に関心を持ち、家族全体を看護の対象として捉えた研究に必要な考え方や方法論を学びたいと考えて、家族看護学分野への進学を目指しました。
家族看護学分野のゼミでは、様々な領域の臨床経験や研究経験を持つ教室員とお互いの研究について率直に意見交換することで、毎回新たな気づきを得ることができました。同時期に在籍した大学院生の研究対象者は、成人がん患者の家族や家族を亡くした人など、医療機関内でのアプローチが容易でない場合や心理的負担への配慮が極めて重要な場合など状況も様々で、社会の中で光の当たっていない声を丁寧に集めることの大切さも学びました。
在籍中には、家族ケア症例研究会での事例発表とその論文化、医療的ケア児の保護者への健康関連QOL評価尺度による全国調査、および東大病院小児科外来における成人医療への移行支援に関する介入研究などを経験することができました。現在私は大学教員として、医療的ケア児の成人医療への移行に焦点を当てて、その家族へのケアも含めた研究を行っています。これは家族看護学分野と東大病院スタッフとの合同研究チームの一員として関わった成人医療への移行支援の経験と、臨床で抱いた疑問から博士課程を通じて取り組んできたテーマが結びついて発展した研究課題です。
進学をお考えの皆さんにとって、家族看護学分野で学ぶことは、家族というキーワードで結びついた多様な研究に囲まれて、多くの当事者とその家族の実体験に触れ、患者・家族中心とは何かを繰り返し考えながら、臨床実践に貢献する看護研究を遂行するための視座を広げる貴重な経験になることと思います。

松原 由季

卒業年度
2014年度(修士)/2010年度(学部)
現在の所属
公益社団法人日本看護協会 看護研修学校 教育研究部

私と家族看護との出会いは、大学の講義でした。理論に触れ、家族をシステムとして捉えアプローチする、という考え方が興味深かったことを覚えています。実習も進み、医療と生活の両面から患者を捉える必要性を実感していた中で、その面白さを感じ、家族看護学分野を選択しました。実際に、卒後看護師として勤務する中で、適切なケアや意思決定には家族看護が必要であり、看護だからこそ提供できる家族も含めたケアの可能性を感じました。そして、看護提供の基盤となる、エビデンスや制度・仕組みに関わっていきたいと思い、家族看護学分野の修士課程に進学しました。
教室には様々な研究テーマを持った先生や先輩・後輩がいました(それこそ妊産婦から臨死期も)。皆「家族」に関心があり、対象とする家族の形はそれぞれで、様々な測定や分析方法を検討していました。そのため、私の研究テーマは小児でしたが、カンファレンスでの研究発表後には「どのようにしたら今回知りたいことを捉えることができるか」と熱く意見を交わすこともあり、得難い経験だったと印象に残っています。
現在の仕事では、情報の収集や分析をして、臨床現場や様々な場の方からご意見を伺いながら、どうあるべきかを考える、ということをしています。大学院で培った論理的思考や、様々な視点から検討して真実を探求する、という経験が活きていると感じています。
進学のきっかけは、気づき、疑問、問題意識、心残りなど、何でもいいと思います。ライフサイクルのどの段階に関心がある人も、「家族」の事象を捉える多様な経験のある先生方とともに、知的探求心をもって研究の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

大学院生からのメッセージ

村本 美由希

プロフィール
2009年 慶應義塾大学看護医療学部卒業
2009年 都内総合病院就職(看護師・助産師)
2018年 家族看護学分野修士課程進学(家族の転勤に伴い、一年間休学)
2021年 家族看護学分野博士後期課程進学

「私なりのケアを追求してみたい。そのために、もっと学んでみたい。」
ママ看護師として働いていた私は、そんな学びへの好奇心で門を叩きました。
入学してみると、研究の奥深さや難しさを目の当たりにし、何度もくじけそうになりました。
「分からないことだらけ、私にはできないのでは?」「きっと私がやらなくても・・・」
しかし、先生方や教室の皆さんは、いつでも私の考えを尊重してくれて、自分の想いを研究という形にしていけるよう全力で支えてきてくれました。
修士課程では、周産期の母親が精神的不調を和らげ、赤ちゃんとの情緒的絆を深めていけるよう、「セルフ・コンパッション(辛いときの自分への思いやり)」に関する横断観察研究をしました。現在は、博士課程で、周産期の両親が「セルフ・コンパッション」を高めていくにはどのようにしたらよいかを研究しています。一人ではたどりつけなかったテーマでもあり、日々、先生方に手厚く指導をいただいています。
大学院進学は、人生の転機でした。
この教室で心ゆくまで学べることに、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、新たな仲間との出逢いを楽しみにしています。

 

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