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家族看護学とは

家族が看護の対象です

家族看護学とは家族の健康を支援することを目標とした看護者による実践の学問です。

家族が看護の対象です。家族には一人の個人と同様に、誕生し、成長しながら様々な課題に取り組み、いずれは老いて終結するというライフコースがあります。
看護者はそうした家族が巡りあう発達的移行による課題から、疾病や災害・事故などによる状況的移行の課題も含めて様々な状態の中にある家族を支援します。その時に一人の患者を対象とするのとは異なり、家族を対象とするためには、どのように家族を理解する必要があるでしょうか。
それには「発達する家族」、「システムとしての家族」という2つの視点から理解を深めることが必要です。
家族の発達的課題を理解して、それぞれの家族員の受けとめの深度と温度差(ギャップ)にも着目し、家族の力を最大限に引き出せるように、家族システム家族同士の関係性)に働きかけ、家族全体の健康を目指します。そして、そうしたケアを通して家族がもつ未来の危機に適応する力(レジリエンス)を高めることを大切と考えます。

 

家族の危機に対して家族の視点で支援をしていく

 

 

家族看護学の活躍領域

これまで家族看護プロセスに用いられる理論やモデルがいろいろと研究されてきました。そうした一つひとつのモデルや技術のみにとらわれることなく、家族の多様性に沿って家族を理解し、新しい視点で家族看護の研究を実践していくことが求められています。 家族の価値体系、役割、勢力、家族コミュニケーションの構造を理解し、家族をアセスメントしてどのような看護ケア(介入)が必要かを考えていきます。
看護者は家族とともに、その家族内の成長と家族と社会との相互作用を促進して、その家族がその家族らしく生きていけるように支援する役割があります。

 

家族看護学が学問領域として誕生したのは、1992年に千葉大学看護学部の5年間の寄付講座として開設され、さらに東京大学に家族看護学の講座が開設された時です。1994年の国際家族年に、日本家族看護学会が設立され、初代教授の杉下和子大会長が第1回学術集会を開催し以後毎年開催されています。学術誌として「家族看護学研究」が定期刊行されています。さらに、専門看護師の教育課程をもつ大学院修士課程では、必要な単位を修得して修了し、認定を受けた家族支援専門看護師を輩出していて、臨床で活発に活動しています。

 

今後も、家族看護学が発展していき、家族のWell-beingに貢献するためには、家族看護の実践と研究、そしてその教育を共創していくことが必要です。


 

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