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教室案内

教授あいさつ

教授 池田 真理

家族看護学教室ホームページにお越しいただき、ありがとうございます。

初代教授である杉下和子先生、2代目教授の上別府圭子先生の後任として、2021年8月1日より当教室を担当させていただくこととなりました池田真理です。

家族看護学は、家族員の健康問題、発達課題、また家族が直面する様々なライフサイクル上に起こり得るイベントによって脆弱性が高まった時に、その家族全体を看護の対象とし、家族が本来持っている力を高めるように支援し、ケアを実践する学問です。
家族のなかのひとりに健康問題が生じると、家族の役割構造が変化し、家族のサイズが小さいとそれだけその変化に適応することが困難になることがあります。昨今では、家族の在り方が変化してきていると同時に、疾病構造とその治癒過程の様相も変化してきていて、慢性疾患を抱えながら社会生活を営む人々も増えてきています。看護師を含む医療従事者は、患者本人のみならず、その家族も含めてケアの対象としていくことが患者と家族のWell-beingにはとても重要になってきています。当教室では教員、客員研究員、大学院生など、ヘルスケア・看護に対する高い志とパッションを有するメンバーが集まり、患者とその家族に資する看護実践、家族看護学研究に取り組んでおります。

研究面では、「研究活動」のページに記載の通り、家族形成期のメンタルヘルス、小児がんを持つ子どもと家族へのケア、そして患者やその家族に対して、治療そのものだけではなく、病いを抱えながらも生活の質(Quality of Life)を高めるケアのために、精神的・社会的な視点からも果敢に挑み続けております。日本の家族には、個人主義が主流の欧米にはみられない、お互いに緩やかに影響し合う家族プロセスがあり、そのような日本の知見を海外にも発信していきたいと考えております。

教育すなわち次世代の育成は、学部教育から「家族と健康」といった講義を通じて、さまざまな健康レベルの家族のヘルスニーズや、家族の健康問題によって発生する家族問題を理解し、家族看護の展開によって本来の家族機能を高め、意思を尊重し、健康増進に向かうことが可能となる、この分野の魅力を伝えることから始めます。そして、私たち教室員が患者・家族の課題に向き合う姿勢から、家族看護学の重要性を体得し、広く国内外の異なる意見・考え方にも触れて、家族看護学分野における課題に取り組む力を涵養したいと考えています。

研究や教育を通じて、家族のレジリエンスを高め、家族が様々な危機から成長していけるように、家族を元気にしていけるよう、教室員一同、引き続き努力して参ります。
(2021年8月記)

 

 

教室の沿革

1992年4月 それまでの東京大学医学部保健学科が、学科名称を健康科学・看護学科に改称した際に、東京大学医学部健康科学・看護学科家族看護学講座として新設された。
1992年10月 故杉下和子名誉教授が初代教授として着任した。
家族看護学の教育を行う大学の研究室としては日本で一番歴史のある教室である。
2002年4月 上別府圭子助教授が着任し、翌年の2003年3月末に杉下知子教授は退官し名誉教授となった。
2012年12月 上別府圭子准教授が本教室の教授として昇任し、第2代教授となった。
2021年3月 上別府圭子教授は定年退官し、同年8月に第3代教授として、池田真理教授が着任した。

 

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